9月25日

スパムとミームについて書いた文章のゲラを待っている段階で、もうちょっと調べようと思っていた食べ物のスパムのことを調べていて見つけた論文を読んだ。オックスフォードから出ているDevouring Japan: Global Perspectives on Japanese Culinary Identityという論集に入っている “LOVE! SPAM!” : Food, Military, and Empire in Post-World War II Okinawaという論文。戦後の沖縄でのアメリカによる統治をきっかけにして、第二次大戦で軍用食料として広まったスパム(ランチョンミート)がどのように沖縄に根づいていったかが論じられている。体制の内面化と、それを逆手に取りつつもとの文化と調停させる機知とが裏表になっていて、なんだか居ても立ってもいられなくなってスーパーにスパムを買いに行った。

今朝それでポークたまごおにぎりを作って食べた。卵焼き器もなくて量の加減もわからないからきれいな形にならなかったけど、とてもおいしかった。もともと独自の調理法のもと親しまれていた豚の牧畜資源が戦争で破壊されたあとにアメリカからもたらされたスパムが「ポーク」と呼ばれ、様々なレシピが編み出されいまでは沖縄の県民食となっている。作って食べてみるよりほかに何もできなかった。

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カテゴリー: 日記