日記の続き#161

ちょっと内在しに……という感じの、筋トレ、ソロキャンプ、サウナといった流行の次に来るのは「息止め」なんじゃないかとふと思った。これらプチ内在系の活動はデジタルデトックスや自律神経の緊張−弛緩に共通して狙いを定めているが、煎じ詰めればそれは身体の輪郭のうちに思いなしを押し込めるということだろうし、そうであるなら息を止めるのがいちばん手っ取り早いはずだ。実際これは寝付きの悪いときなどに効果がある。ゆっくりと限界まで息を吸いながら、胸郭を内側から上下前後左右に押し広げるようなイメージをしつつ、吸いきったらその胸の圧をなるべく保ったまま息を下腹部まで移動させ、その状態でしばらく息を止めてゆっくりと吐く。何度か繰り返すと内臓がため息をついたようにくたっとして落ち着く。問題があるとしたら写真に映えないことだ。それにしてもこのプチ内在系の流行はマインドフルネスとの親近性からもわかるようにスピリチュアル的な側面もあるはずで、オウムが最初たんなるヨガ教室だったことなどにも思い当たるが、ちょっとした内在の方便として機能する超越があるのかもしれない。