日記の続き#292

着なくなった服を7着買い取り業者に送ったら合計2万5千円になった。ほとんど値が付かないものもあったが、6年くらい前に大阪の中崎町の古着屋で1万8千円で買ったディオールのプルオーバーのウールコート(着脱が面倒で着なくなった)が1万2千円で売れて、やっぱりハイブランドは違うんだなと思った。売ったお金で窓際に置く長細い電動のラジエーターのようなものを買った。うちの窓は2重ガラスなのでそこまで冷えないのだが、やはりエアコンの風には「結局寒いのだ」という事実への焦燥にひとを巻き込んでいく感じがある。

長い文章を書いていると、大筋の問いをよそにトピックの細部に引きずられてしまうということがある。他方でそれは執筆の大切なドライブでもあり、会話と同じで、終点から逆算して詰め込まれる文章は面白くない。難しいところだ。作業の帰り道にそのことについて考えていて、「大義を忘れるな」という言葉があるが、真に重要なのは大義の忘れ具合を調節することなのだと思った。そんなことができるのかはわからないけど。