日記の続き#326

いろんなことが過ぎていった一日だった。前の夜に名古屋から帰ってきて、新幹線が途中で止まって1時間ほど帰ってくるのが遅くなって、その日は朝から動いて疲れていたのでそのまま寝て、起きてから風呂に入った。日記ワークショップのスライドを作りながら、手が止まるたびに——その素材が見つかるかもしれないと思いつつ——「ランダムに日記に飛ぶ」ボタンを何度も押して今日の日記に引用する日記を探す。意識がスライドのほうに引っ張られているからか言葉があまり頭に入ってこない。いいと思ったものはすでにいちど引用していたりする。こないだ黒嵜さんと3年ぶんの日記を本にするならどうするかと相談していて、「ランダムに日記に飛ぶ」リンクのQRコードをステッカーにすると面白いんじゃないかと思いついた。5000枚くらい作ってばらまいたら面白そうだ。いちばんいいのはトイレの壁に貼ることだろう。本の販促とくっ付けてもいい。スライドは「イベントレスネス」について。これまで何度かこの概念について書いてきたが、まだどうにもしっくりこない。デリダ的なauto-bio-graphy/allo-thanato-graphyへの批判的介入という線で考えればいいのかもしれない。自伝は死んだことにしなければ、あるいは「余生」においてしか書けないかもしれないが、日記はそうではない。下北沢でワークショップを終えて、しばらく聴いていなかった『門』の続きを聴きながら帰った。2ヶ月ほど間が空いても案外話を覚えていた。景色を見たいので新宿から横浜までグリーン車に乗る。