6月15日

戦争は戦場の上空を飛び回り、あらゆる時間のなかでの実現に対して中立的で、勝者と敗者に対して、臆病者と勇者に対して中立的で無感動impassibleである。もっと恐ろしいことに、戦争は決して現在にあることなく、つねにいまだ来るべきもの、つねにすでに過ぎ去ったものであり、したがって戦争が無名の者に吹き込む、「無関心」の意志としか呼びようのないような意志によってしか把握されない。それは致命傷を負った兵士の意志であり、もう勇敢でも臆病でもなく、もう勝者でも敗者でもありえず、そうして彼方に、〈出来事〉が留まるところの彼方に留まり、恐ろしい無感動をおびた兵士の意志である。いったい戦争は「どこ」にあるだろうか。だからこそ兵士は、逃げながら自分が逃げるのを見るし、飛びかかりながら自分が飛びかかるのを見る[……]。
——Gilles Deleuze, Logique du sens, Minuit, 1969, p. 122(ジル・ドゥルーズ『意味の論理学』小泉義之訳、河出文庫、二〇〇七年、上巻一八三頁).

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カテゴリー: 日記