7月27日

ストレッチ、筋トレ、セルフマッサージに関連する整体師、武術家、ダンサー、スポーツトレーナー、パワーリフター、ボディビルダーの動画を見てやってみるのが好きなのだが、アメリカで機能神経学(脳機能に特化した運動生理学だろう)を学んで日本で競馬のジョッキーをやっているらしい、サイコパスっぽい話し方の小柄な男が紹介する呼吸のエクササイズが面白くて最近よくやっている。それはただ、息を吸わずに息を吸うエクササイズで、舌の根で気管を閉じたまま息を吸う力を目一杯入れる(鼻をつまむと耳によくないので注意)。すると顎が引かれて肩が下がり、肩甲骨が寄って肋骨が開く、いわゆる「いい姿勢」に自然となる。呼吸を筋肉的な運動として意識化することが肝なのだと思う。呼吸の素振り、フォーム練習ということだ。呼吸にもフォームはある。でもそれは、平倉さん的な言い方だが、身体内外の他の諸々のフォームに巻き込まれて潰れてしまう。生活習慣病という言葉があるが、生(活)−習慣−病とバラすとそれはもうドゥルーズ的な概念である。息を吸わずに息を吸うのは、生理的なものから社会的なものまでをまたぐフォームの係争状態としての習慣の中心を体に置きなおすことだ。習慣をフォームとして捉え返すこと。これは「治癒」のもっとも一般的な定義と言えるかもしれない。

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カテゴリー: 日記