9月5日

新幹線の改札のなかのカフェでコーヒーを頼むと、「端末が光りましたら音が鳴るまで長めのタッチをお願いします」と言われ、光、音、タッチと頭のなかが点滅しこんなにマルチモーダルな指示で大丈夫なのだろうかと思った。大丈夫でないひとであればもっとゆっくり説明する必要があるし、大丈夫なひとであれば端末を指さすだけで済む。

妻と2泊の熱海旅行。熱海で降りたものの事前に何も調べずに来たので、駅前の喫茶店でどこが栄えているのか見て、商店街を抜けて海に向かって降りていく。小さな薄墨色のビーチを囲むようにホテルが並んでいて、そのわきに小さな古い熱海銀座という商店街がある。鰺のたたきの丼を昼ご飯に食べて路線バスで岬にあるホテルまで移動する。バスは観光地を周遊するバスで、マイクを持って座ったおばあさんが「右手のソテツが生えたところにある石碑、ソテツが伸びて石碑がほとんど隠れてしまっていますが、ソテツの下に見える石碑は……」と各スポットを紹介していた。

ホテルは高い崖にしがみつくように建っており、17階の最上階がエントランスで、それがそのまま崖の高さに対応している。最近新装開店したらしく、とはいえ、見た目はそのままバブル的な余裕のあるケバケバしさを残していた。波打ち際のすり鉢状になった食事会場でビュッフェ形式の夕食を食べ、温泉に入って寝た。

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カテゴリー: 日記