10月26日

起きたら昼で、シャワーを浴びて左藤くんと近所のパン屋に朝ご飯を食べに行った。フランス人がやっている店で、サーモンのパニーニとコーヒーを頼む。黒嵜さんからいま起きたと連絡が来て、現在地を返す。スモークサーモン、クリームチーズ、バジルが挟まったパニーニを重厚なナイフとフォークで食べる。日本人のカフェ併設のパン屋でこんなに重たいカラトリーが配されているのを見ることはない。黒嵜さんが合流すると左藤くんは用事で帰って、平安神宮を北に抜けたあたりにある喫煙可の古い喫茶店に移動する。黒嵜さんのサイトの設計について聞く。3枚のカードが横並びになった、Desktopという名前のトップページだけのサイト。Googleドキュメント上での編集がそのままカードに反映される。カードの並び順は任意で、いずれかのカードを編集するとその最終日時が表示される(閲覧者はどれが最新投稿なのかわからない)。ある時点の3枚の状態をスクリーンショットを撮影するようにそのまま保存する機能があり、それが編集不可能な状態でBackupページに格納される。横並びのカード、リアルタイム感の攪乱、ある配置の固定・保存。編集と閲覧はつねに同期しているのに、タイムスタンプがかえって読者と執筆者のあいだに「遅れ」の関係を作る。実際は読者が遅れてきているのではなく、たんにそのときは書いていないだけだ。書いていない時間が即時性から引きこもる「著者性」を作る。朝起きてから日記を書き終わるまでのねちゃっとした1-2時間。昨日と今日のあいだの隙間にそっと差し込むように、あるいはそれによって「タイムライン」を裏切る昨日を作るように、リンクをツイッターに流す瞬間。

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カテゴリー: 日記