12月25日

クリスマス、だが授業。さすがにいつもの講義をやる気も起きないので、事前にみんなに書いてもらった日記を返却して、グループで読み合うワークショップをする。ふつうに読めば20秒くらいで読めるものを、10分かけて読む。自分はその言葉の並びを使うのか、そこに読点を打つのか、解像度を上げていくほどに、読み飛ばせば読み飛ばせるものから異物感が浮かび上がってきて、そこから逆照射して自分が抱えている規範意識のようなものを自覚する。どうとでも書けるものをどうしてこの人はこう書き、自分はこう書くのか。あと、近づけば近づくほど文章が小さな断絶に満たされたものに見えてくるだろう。これは当時思ったことなのか、書きながら考えたことななのか、書きながら考えたことを当時思ったこととして書いているのか。なぜ話はここで出来事の推移ではなくその背景の説明にスイッチするのか。それがさらに自分がいつも思っていることへスライドするのは、どれだけ書き手が意識的にコントロールしていることなのか。とたんに1000字に満たない文章がわからないことだらけになってくる。説明とタイムキープだけで90分の授業が終わり、横浜駅で花を買って帰った。水炊きと、サツマイモのテリーヌと、花でクリスマスをした。

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カテゴリー: 日記