1月4日

珈琲館で妻と作業をしていると若い男3人が入ってきた。みんな黒いパーカーかスウェットで、しばらくしてもうひとりの男が同じ席に座った。半グレかと思っていると、3人のうちひとりが滔々と話し始め、ヤクザ、カタギ、面倒を見る、気持ちを考える、足を運ぶ、そいつとは同級生で、という言葉がきれぎれに聞こえてきて、若いヤクザはこういう恰好なのかと思った。おおかた後から来たひとりが脅されているのだろう。話し方が堂に入っている。人間と気持ちの話しかしない。そういう仕事なのだ。仲間はひと言も発さなかった。それにしてもどうして喫茶店にいるヤクザはいつも、ひとり抜けたと思ったら別のひとりが入ってきたりするのか。そして彼らは店をとても広く使う。出入り口から席に向かって声をかけたり、不意に立って途中に会計をしようとする。それは美しい。そういうのを代わりにやってくれているのだと思う。それは社会のパルクールみたいなものだ。

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カテゴリー: 日記