2月3日

「オーストラリアの多雨林に棲む鳥、スキノピーティス・デンティロストリスscenopoïetes dentirostrisは、毎朝あらかじめ切り取っておいた木の葉を下に落とし、それを裏返すことによって、色の薄い裏側を地面[の色]と対照さることで、いわばレディーメイドのような舞台scèneを作り、そしてその真上で蔓や小枝にとまって、くちばしの下に生えている羽毛の黄色い付け根をむき出しにしながら、ある複雑な歌、スキノピーティス自身の音色と、そのあいまに歌う、他の鳥を模倣した音色によって合成された歌を歌う。この鳥は完全に芸術家である。一個の芸術作品の下書きをなすのは、肉のただなかにおける共感覚ではない。それは領土のなかの感覚のブロック、すなわち色、姿勢、そして音である。この音響ブロックはリトルネロであるが、さらに、姿勢リトルネロと色彩リトルネロも存在する。姿勢と色彩はつねにリトルネロに入り込んでくる。かがむ、体を起こす、輪を描き、色の線を引く。リトルネロの全体が感覚の存在なのである。」
ジル・ドゥルーズ&フェリックス・ガタリ『哲学とは何か』

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カテゴリー: 日記