4月10日

デザイナーと打ち合わせ。対面では最初に企画の概要の説明に上がったときから二度目。デザイン案を見せてもらうということで、こないだメルカリで買ったオーラリーのウールシャツを卸して着る。浅いブラウンとグレーの静かなチェック柄で、片袖を脱ぐとそのままぜんぶさらさらと落ちてしまいそうなくらい滑らかな生地。ユニクロで買ったレディースの淡いブルーのダウンベストと合わせる。服で気分にチューニングしていく。どういうデザインが出てくるのか、どういう自分で対峙するのか、ちょっと緊張していたのだと思う。東横線で早めに学芸大学駅に出て、駅前のドトールであんぱんを食べながら日記を書いて本を読んだ。駅で編集者と待ち合わせて、諸々の進行を確認しながらアトリエまで歩く。あとがきはこないだ送ったものでいいようだ。アトリエに着いてお茶を出してもらう。煎っていない、乾いた緑の葉っぱにそのままお湯を注ぐ烏龍茶。テーブルはダークグレーのざらっとしたメラミンの天板で、彼のデザインしたひっそりとした本に囲まれている。三つのパターンのうちひとつが束見本に巻かれて差し出され、それを見たときうなじがぞわっとした。帰り道、編集者といやー、びっくりしましたねと話しながら駅に戻った。

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カテゴリー: 日記