4月17日

ドトールに入る前に煙草を買っておこうと、伊勢佐木町のセブンに入る。煙草を買いに来た人らしくえーっとと言いながらレジに立つと隣のレジの女性が僕のレジの女性にハイライトメンソールを渡した。ああそれですと言ってPayPayのバーコードを見せながら、どうしてハイライトメンソールと知っているのだろうと思った。帰り際に隣のレジの店員をちらっと見たが、マスクをしていて見覚えのある顔には見えなかった。この店では2回くらいしか煙草を買っていないし、それもしばらく前のことだ。毎日買ういちばん近所のセブンから徒歩10分くらいだから、そこの店員が来ている可能性もあるだろう。でもいつも見る顔ぶれではなかった。あるいは、僕にそっくりのひとが毎日買いに来ていて、したがって驚くべきは彼女なのかもしれない。もうひとり僕みたいなひとが買いに来て。そう考えると不思議と気持ちが落ち着いた。誰かの代わりに買ったのだ。ドトールのいつもの大きい机に座ると目の前の老人が『失礼な一言』という新潮新書を難しい顔で読んでいた。

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カテゴリー: 日記