日記の続き#253

黄金町でやっているRAU試を見に行く。横国で平倉さんと藤原さんが数年前からディレクションしているワークショップの成果展だ。関内から黄金町にかけての平地を挟み込むような野毛山と山手の地形を辿るフィールドツアーのマップが配布される。もう暗いので歩くのはまた後日にしようと思ってゆっくり映像を見て、すぐ近くのジャック&ベティという映画館で上映されている同企画の特集までの時間、これもすぐ近くの珈琲山という喫茶店で時間を潰すことにした。ここは家から近いし煙草が吸えるしコーヒーも美味しいのだが、いつ来ても大きな音でクラフトワークの同じアルバムが流れているのであまり寄りつかなくなってしまった。他方で壁中にデヴィッド・ボウイのポスターが貼られていて、久しぶりに来たらそれが『戦場のメリークリスマス』のリマスター版のポスターに入れ替わっている。せめて音楽もボウイに、あるいはせめてクラフトワークとかわりばんこにしてくれたらいいのだが、今日もクラフトワークがヴォコーダーを通して「フクシマ、ホウシャノウ」とマントラのように繰り返している。ぜんぜん読書に集中できない。それにしてもなぜよりによってNO NUKESのアルバムなのか。左京区に店ごと転送してやったほうが古田新太似の店主も幸せなのではないか。そうすればこの80年代−文化−左翼の結界も緩むだろう。早めに店を出て映画館に移ると、チケット売り場で前に並んでいるのが平倉さんだった。