日記の続き#283

10日くらい前から毎日ノートに作業日誌を付けている。作業に取りかかる前にノートを開いて、日付と、ノートを付け始めてからの日数をDay 9というかたちで書く。その日したい作業のあらましや、どこでつっかえているのかということをバラバラと書いて、興が乗ればそこでアイデア出しをしてもいい。日数を書くのがポイントで、これで時間が過ぎていっているのだという実感と、多少とも実のある作業が積み重なっているのだという手応えが得られる。こういう長い、締め切りもあってないような仕事はこうして、時間を逆算するのではなく加算していくような仕組みが必要だ。ちょうど今は卒論、修論、博論の提出時期だが(自分がぜんぶちゃんと出せたなんてウソみたいだ)、そういう本当の、出せる出せないと自分の社会的ステータスがくっついた本当の締め切りがあるのは学生のうちだなと思う。それで、作業が終わったらまたノートを開いて、やったことと明日やることを書く。たいていぜんぶで半ページにもならないが、それだけで毎日パソコンを開くたびに同じ場所にリスポーンするような徒労感はなくなる。今日が昨日と違うということも、手に取れる何かでそれが確認できないとわからなくなる。とりわけ本の執筆のような、成果物だけ見れば日の出時間のようにゆっくりとしか変わらないものについては。