日記の続き#316

珈琲館とベローチェ、ふたつの喫茶店をまたいでRocco Gangleというひとが書いたラリュエルの『差異の哲学』の解説書を読みながらOne ohtrix Point Neverのアルバムを聴いて、なんだか微妙に時代遅れだなと思ったが、数年のラグを気にしていたらなんにも新しいことなんてできないのだと思いなおした。ラリュエルもOPNも周りで話題になっているときはしっくりこなかったが、今になって前者については自分なりに何か展開できそうだし、後者についてはたんに楽しく聴けるようになった。イセザキモールのドンキホーテに入って掃除用品を眺める。ドンキは純粋小売業の最後の砦だと思っていたが、久しぶりにゆっくり見るとこれまでは半分おふざけで作っていたようなプライベートブランドの商品(ドンペンが描かれたタオルやクロックス)が洗剤やお菓子にまで拡張されていた。僕もその流れの先にいるが、作るだけ、売るだけというのはやはりもう難しいのだ。イヤホンからは数年前に出たアーティストとの対談を流していて、そう、相手が息の長い会話に慣れていない場合はとりあえずこうやってバラバラと話題を投げて、あとでこっちでまとめてそれをまた投げ返せばいいのだと思った。