日記の続き#333

布団に入ってもなかなか寝られないので考え事をしていて、ここ数年は第2サナギ期なのだろうと思った。大学に入ってからの4年間くらいが第1サナギ期で、ドゥルーズに出会っていろいろ読みはするがそれが自分にとってどういうもので、その経験の意味を他人にどう説明するのか、というか、その経験が他人にとってどういう意味をもちうるのかわからず、もちろん物書きになろうなんて思いもしないまま硬い表皮とドロドロの内部のあいだで張り詰めていた。それが、修士に入って自分の読んだものや書いたものを通して友達ができたり人に褒めてもらえたりするようになって、そこから『眼がスクリーンになるとき』が出て1年後くらいまでは社会進出の時期だった。それが博士の3年、つまり2019年くらいからまた——いま思えば——自分のやっていることの意味を見つけあぐねている、というか、それをなにか他人に見えるかたちでどうプレゼンテーションすればよいのかを探しているのだと思う。第1期と違うのはこの第2期はそうはいっても博論を書いたしいくつも大切な単発原稿があるしこうして日記を書いていることだ。これについては自分でも偉いと思う。あと1年くらいで抜けられそうな気もする。でもいちばんのこの第2期における収穫は、それがあと10年続いても自分はものを書き続けることができるという自信を得られたことかもしれない。