6月5日

神保町で『存在論的、郵便的』講読の日。春に新横浜から渋谷までの東急の路線が開通したらしく、ブルーラインで新横浜に出てから渋谷で半蔵門線に乗り換えることにする。横浜駅で乗り換えると地下のコンコースを延々歩かされるのだが、こちらはスムーズだし席も空いている。向かいの席で犬が鳴いて、見るとおばさんの抱えたメッシュの鞄のなかに茶色いトイプードルがいた。早めに神保町に着いてご飯を食べる場所を探して、目についたとんかつ屋に入る。ハーフサイズの定食を頼んで揚げ物にしては遅いなと思いながら待っていると、2.5センチほども厚みのある、切れ目が明るいピンクのとんかつが出てくる。大きく切り分けられたのを半分に噛むともちゃもちゃと脂が口の中に広がり、この場合もっとひと切れの幅をなるべく狭く、せめて1センチほどにするべきだと思った。というか、仮にまず、低温調理の分厚い豚ロースが与えられたとせよ。それにパン粉をまぶしてまるごと揚げようなんて思わないだろう。ローストビーフみたいに薄く切りたくなるはずだ。「とんかつ」を新しくするという順番で考えるからよくないのだ。と思いながら、鳥の巣のようなキャベツを難儀してほぐしていた。

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カテゴリー: 日記