7月19日

授業の今学期の振り返りとして、研究するうえで書くことから逃げる口実はたくさんあるが、結局は4万字の散文の塊を修士論文として出す必要があるのだからそこから逆算して考えるべきだという話をした。研究計画を立てるのも、レジュメに研究内容をまとめるのも書く力をつけるのには役立たない。修士の2年間というのは微妙な時期で、頭を低くしてそういう形式に従っていれば自動的に過ぎていく。箇条書き的なものと散文のギャップを経験するために自分がすごいと思った論文を2000字で紹介する文章を持ってくるという授業にしたが、やはりそこでも背景・要約・成果・評価といったミクロな形式に寄りかかって、何が「すごい」と思ったのかが蒸発するケースも多かった。研究の世界は「書かせない」装置を様々に配備している。だからこそ書くだけで頭ひとつ抜けられる。

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カテゴリー: 日記