8月10日

青森滞在最後の夜。大和田さんは制作中に起こった、炭酸水のボトルを開けたら酸がコンクリートの天井まで飛び散り、しぶき状の白いクエン酸カルシウムの痕が残ったというアクシデントを会場で再現し、「雨」という作品にするため、水、石灰、クエン酸の割合をハクくんと実験していた。5時頃にいちど「リハ」を行い、ペットボトルの蓋を開けると叩きつけるようなすごい音がして良い具合に飛び散った。これをもういちど展示室でやるだけなのだが、彼はずっとそわそわして、大城さんが作ったスパイスを漬けた酒を飲んでからやると言ったり、煙草を吸いに出ると言って別のことを思い出したり、結局9時頃になってやっとやることになって、スタッフと作家が集まってきた。無事「雨」は完成して、彼も納得したようだった。あの4時間は何だったのか。彼を見ていると何も進んでいないがいろいろ動き回って考えている時間が多い。

宿泊棟のボイラーが故障し、隣の敷地にある公立大のゲストハウスで寝ることになる。雪山にある大きなロッジのような建物で、吹き抜けの広いラウンジにソファーとテーブルが並んでいる、が、他に誰もいないのか建物全体に熱が籠もっていて、結局ここも暑いのかと思いながら苦労して自分の部屋を探す、が、入ってみるとキッチンと4人掛けのダイニングテーブル、コの字型の大きいソファ、寝室が三つあり、部屋が家だった。

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カテゴリー: 日記