8月11日

滞在最終日で、展示オープニングの日。宿からACACまでキャリーケースを引きずって歩いていると、キャンパスの道の真ん中できれいな鳥が横たわって死んでいた。写真を撮って調べるとアカゲラというキツツキのようだった。宿泊棟のテラスから見える森のキツツキは体側に青い線が入っていたように見えたが、別の種類なのだろうか。ラウンジでみんなに合流して、隅のほうで日記を書く。大和田さんと大城さんとスタッフの車を借りて気になっていたラーメン屋に行く。何もない道の脇に立った簡単な箱形の店で、店主がひとりで並・大・特大だけのメニューを出している。くっきりしたスープで、ふたりはコンプレッサーをかけずにイコライザーだけで加工してローをカットしたような味だと形容していた。戻るとだんだん人が集まっていて、僕もゆっくりひととおり展示を見て、あらためて正式に製品化された炭酸水を飲む。オープニングトークの頃には50人ほども人が集まって、会場を回るあいだ僕はラウンジで涼んでいた。十和田でも会った永田さん、久しぶりの齋藤恵汰さん、荒木悠さん、中島晴矢さんが来ていて挨拶する。十和田や弘前からキュレーターもたくさん来ていて社交が始まる。大和田さんに街の人間が来ましたねと言って笑う。ACACの人と美術館の人はぜんぜん感じが違う。僕は基本的に美術館のキュレーターやギャラリストは嫌いなので適当に流していたが、それだけでどっと疲れ、とたんに帰りたくなってくる。僕が何かしたわけではないし、もともとそういうものなので変な話だが、見世物じゃないんだぞと思う。誰かの子供が寄ってきて一緒にルービックキューブで遊ぶ。打ち上げに20分だけ参加して、空港までACACの慶野さんに車で送ってもらう。彼女が書いた原稿の話やニュージーランドで会った平倉さんの話を聞く。暗い山を抜けると空港があってカウンターに行くと出発が30分遅れるということだった。もう飲食店はすべて閉まっていて、お腹が空いたのでお土産屋さんにかろうじてあったじゃがりこを食べて飛行機に乗った。

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カテゴリー: 日記