10月10日

いま思うとこの3年間かけて少しずつ、「上がり」なんてないのだ、一生やっていくしかないのだと覚悟するようになったのだと思う。博論の書きなおしにしっかり時間をかけることにし、日記を書き続ける。それ自体はっきりとした決意があったのでもなかったが、甘えた物語に後れを取っていく焦燥のなかでこれがリアルなのだと本当にちょっとずつだが、思うことができるようになってきた。26歳で最初の本を出して、28歳で博論を出し、ぱっと本にして論集なんかも作れば評価されて、就職するなり自分でこじんまりなにかをするなりして、あとはもう自動的に人生が進んでいくのだ、そこから先は書けば書くだけ読まれ、やればやるだけ返りがあるのだと思っていた。博論の書きなおしと日記の3年間が重なったのは本当にラッキーだった。最初それはちょっとした幻滅とたんなる思いつきだった。それをここまで導くことができたのは人目に触れる場所でやったからだろう。この場がなかったらと思うとちょっとぞっとする。

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カテゴリー: 日記