2月6日

夕方、珈琲館で作業をしていて、『非美学』の原稿の最後のところが終わった。3年間ずっと、そして書き終わるそのときまで、あとちょっとと思いながら、同時に、何がどうなったら終わりなのかわからなかった。最後の段落にさしかかって、もしかしてこれで終わりなのかと思いながらいくつかのセンテンスを書いて、もう書くことがないことに気がついた。はじめのほうは、あとちょっとだからと思っていて、後半はあとちょっとなのにと思っていた。何度も嫌になったし、何度も自分の見通しがたんなる見栄であることを思い知らされた。それが気付いたら終わっていた。いつもの珈琲館で。向かいに座って本を読んでいる妻に終わったかもしれんと言うと、よかったねと言った。お金を払って出て、スーパーで買い物をして帰った。夜中までかかって註の空いていたところを埋めて、時間は気にしないことにして編集者にメールで送った。これで本のことを考えずに眠れるんだと思った。でも実際布団に入ってみるとまったく眠たくならなかった。コンビニでお菓子を買いに外に出た。お菓子とコーラでひとりで打ち上げをした。

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カテゴリー: 日記