2月14日

ジムからの帰り道、もう電車もなく、いつも借りるシェアバイクのポートに行くと一台も残っていなかった。夜は関内から外へ退勤する人びとの流れで少なくなってしまう。ポートの向かいにLUUPのポートがあって、電動キックボードに初めて乗ってみることにした。ハンドルについているQRコードを読み込んで鍵を開け、苦労してスタンドを外す。乗って漕いでみても勢いがつかず、停まった状態からハンドルのレバーを回して走るのだと気付く。タイヤが小さく、ボードが地上から10センチほどしか浮いていない。自転車のようにふらつきをハンドルでフォローするということができないので、とにかく両足を板に乗せたまま加速するしかない。あっというまに時速20キロ出る。夜中で車が少ないので段差のない車道を大通り公園に沿ってまっすぐ帰れたが、ちょっと込み入った歩道や車が多い車道を走るようなものではない。マンションとマンションのあいだの真っ暗な隙間のポートに停める。アプリを開いて乗車終了のボタンをタップすると、画面がカメラに切り替わる。さっき停めたほうに向けて真っ暗な枠の下にあるシャッターを押すと、フラッシュがたかれ一瞬車体が浮かび上がり、返却完了の画面に自動で切り替わる。歩いて帰りながら、その不気味な写真はAmazonから送られる置き配完了の写真とまったく同じ仕組みであることに思い至った。移動していると思ったら運んでいたのだ。

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カテゴリー: 日記