2月21日

「2004年、北側の石もはずし、ついに中央に石槨が現れた。地表に4枚の大きな板石を並べて長方形の空間が作られている。141×72センチと狭いが、足を曲げたいわゆる屈葬であれば大人の遺体でも入れられる。我々は期待に胸をときめかせながら蓋石をはずし、中の土を少しずつ掘っていったが、何も出てこない。それでもあきらめきれずに、すべての石をはずした後、その下に軟らかい土層がみとめられたので掘り下げたところ、ぽっかりと空間が開き、なんと、新しいふかふかの草、靴の紐、軍手が出てきたではないか。そこはタルバガンというプレーリードッグのような小動物の巣だったのである。」
林俊夫『スキタイと匈奴——遊牧の文明』講談社学術文庫

投稿日:
カテゴリー: 日記