5月9日

外でゲラ。決断を後回しにするための付箋を家に置き忘れたことに気づいてがっかりする。iPhoneのメモで代用する。

夕飯に鰺のパスタを作る。とてもおいしかった。また作ろう。小倉知巳のペペロンチーノをベースに、アンチョビとパルミジャーノを加えて奥行きを出したレシピ。彼のレシピ動画がいいのは、基本の食材が銘柄とともに固定されていて、それを絶やさないようにストックしておけばあとはその日食べたいものや家にあるもので作れること、そして具材を足すときに必要な工夫も合わせて紹介されることだ。和食は多様な食材がまずあって、それを基本の「さしすせそ」で収束させる傾向があるように思うが、イタリアンの基本食材(パスタ、唐辛子、にんにく、トマト、チーズ、オリーブオイル、ハーブ類)はむしろ、そこからそのつどのメイン食材によって味を発散させるためのものとしてあるように思う。だから「イタリア料理はムラの美学」であるわけだ。こちらのほうが僕の性に合っている。なによりパスタを茹でるのは米を炊くよりずっと早くできるし。

鍋で塩を加えた湯を沸かしながら、材料を着る。にんにくとイタリアンパセリはみじん切り、おろした鰺を一口サイズにする。パルミジャーノをたっぷりすりおろしておく。冷たいフライパンににんにくと唐辛子(ペペロンチーノ・ピッコロならなおよし)とオリーブオイル(安物)を加え、中火で温め始める。鍋にパスタ(ガラファロ1.5ミリならなおよし)を加え、別のフライパンで鰺の身を皮を下にして強めに焼き始める。にんにくの香りが出たらアンチョビのフィレを加える。ゆで時間が残り1分くらいになったら鰺の身を、あとで上に載せる何切れかを残してソースに混ぜ合わせて粗く身を潰す。茹で上がった麺を合わせてパセリ、パルミジャーノ、オリーブオイル(いいやつ)を加え、茹で汁で水分を調節する。皿に盛って切り身を乗せ、粗挽きの胡椒をかける。

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カテゴリー: 日記