日仏学院で國分功一郎さんと対談。ドゥルーズの『アベセデール』上映とセットの企画。『アベセデール』はどんな入門書よりドゥルーズ入門にいいと思うのだが、品切れで高騰しており、再販の目処もいまのところ立っていないらしい。國分さんとは9年前にいちどちらっと挨拶したきりで、当時は僕もただの修士の学生だったし、ちゃんと話すのは初めてだったので噛み合うかちょっと不安もあったが、蓋を開けてみればすごく楽に話すことができた。いろいろ準備してきてくださっていて、僕のことばかり喋ってもいいのかなとも思ったが、國分さんはこの上映企画で話すのも3回目だしまあ乗ったほうがいいかと思って『非美学』のこと、『置き配的』のこと、哲学と批評のこと、日記のこと、フィロショピーのこと、それらが自分のなかでどう繋がっているか話した。ひとを緊張させないというのはすごいことだ。ここ最近のトークでいちばんのびのび話せた。とくに「本」というかたちで哲学をすることの難しさと大事さについての話が面白かった。巷間言われるアカデミック・ライティングも結局は人文学が論文の世界になるという英米の傾向の延長だし、アカデミック・ライティングで論文集以上の、本というかたちでしかできないことはできない。國分さんも千葉さんも僕もそれぞれ毛色はぜんぜん違うが、本という単位でしか作れないものを作っているという点では同じで、そういう「ぜんぜん違う」ということが自ずと出てくるのが本の面白いところだと思う。
夜、間に合いそうになかったので、帰り道にベローチェに寄って那須川天心と井上拓真のボクシングを見た。天心が初めて負けた。初めて負けたのに、初めてじゃないみたいに正面から負けを受け入れていた。すごいことだと思う。