8月31日

懸案のトーク。案の定グダグダだったのだが、トークの前に見た敷地理と黒瀧保士のパフォーマンスは面白かった。敷地のパフォーマンスの終盤にギャラリーの外の道路に観客が連れ出され、彼は地面に座って何か詩の朗読をする。促されてギャラリーに戻ると、砂が敷かれた一画(他の作家の作品)の真ん中に、おしろいを塗った、19世紀的に袖が膨らんだブラウスを着た小柄な男が微妙な姿勢で立っておりぎょっとする。もう次のパフォーマンスが始まっているのだ。

トークはキュレーターの黒瀧さん(パフォーマンスした作家の双子の弟)が司会で、僕とふたりの出展作家、もうひとりのキュレーターの藤本さんが登壇していたのだが、半分以上の時間黒瀧さんが自分の仕事の愚痴みたいなことを喋っており、見かねて「それは美術の問題ではなく人生の問題で、たんなるミドルエイジクライシスなのではないか」と言った。そもそも完全にアウェーの空間だったので不安もあったが、お客さんもよくぞ言ってくれたという空気をビンビンに発していたので、さすがにオーディエンスはそこまでズレていないのかと安心した。自分がホストであることもわからないくらい足下が見えていないのに、不全感を謎の使命や責任にすり替えて自分の欲望や好奇心を見失っており、キツいなと思った。飲み会で唯一顔見知りの布施くんとちょっと喋って、久しぶりに自分以外全員が酒を飲んでいる空間の騒々しさに疲れて途中で帰った。みんな半分しか聞こえていないのに、二倍の音量で喋っている。僕はぜんぶ聞こえるが、音量が一倍なので誰にも聞こえない。

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カテゴリー: 日記