学芸大学駅で編集者と待ち合わせて、デザイナーのアトリエに向かう。最初の打ち合わせ。コーヒーをいただいて、編集者とデザイナーの世間話に横から相づちを打つ。静かに話すひとで、坊主頭なのもあり、平倉さんを思い出す。「顔」のようなデザインが多いなかで、彼の作る本は、デザインがそのまま本の「体」になっていると感じる。編集者が企画の概要を説明して、スケジュールをすり合わせる。デザインの方向性については、基本的に僕はいま人文書のデザインというものについて、本屋に行くと迷走しているのはわかるが、かといって見て目レベルの解答やこだわりがあるわけではないと話す。たとえばみすず書房の本はどれも地味だが、いま読まなくてもいつか読むことになりそうな雰囲気のようなものがある。そういう、いま、これを、読めという反射的な時間から引きこもったものがいいのではないか。それに、どうしたって今回の本は難しいものになる。今回の本の狙い、日記を書くこと、どうして若い時期からいろんなところに出入りするようになったのかについて、僕という人間が受け取られるのをうっすら感じながらぽつぽつと話す。2時間ほども喋っていて、駅のほうに戻りながら編集者と来てよかったですねと言い合って、鰻を食べさせてもらった。